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■インプラントのメリット・デメリット

インプラント治療の強みは、義歯をしっかり固定できることです。インプラント治療では、残っている歯を削ったり、残っている歯に義歯を安定させるための装置を付けたりしません。残っている歯の負担が少ないことも、インプラント治療の利点です。
しかし、インプラント治療には、全身状態がよくないとうまくいかない、治療期間が長め、治療費が高額といった弱みがあります。インプラントは骨と強くつきますが、粘膜とはあまり強くつかないため、天然の歯に比べ感染に弱いことも欠点です。さらに、インプラントをしたい場所に骨が十分ないと、治療が難しくなることも欠点です。インプラントが抜けたり大きく壊れたりした時に、修理が難しいこともあります。
最近では10年間持ったインプラントが95%あったという報告(文献:Albrektsson T, Donos N:Implant survival and complications The Third EAO consensus conference 2012; COIR, 23(suppl6),63-65,2012.)もあります。しかし100%の成功ではありません。インプラントに取り付けたかぶせ物や入れ歯が壊れることもあります。いずれも治療が終ったあとのメインテナンスをしっかりしないと長持ちしません。
利点
  • しっかりと強く咬める
  • 自信を持って笑うことができる
  • 左右でバランスよく咬める
  • 取り外す面倒がない
  • 食物をおいしく味わえる
  • 自分の歯にかかる負担が減って長持ちする
  • 歯ごたえある食物の食感が楽しめる
  • 隣の歯を削る必要がない
  • 発音が安定して会話を楽しめる
  • インプラントはむし歯にならない
  • 見映えよく仕上げることが可能


欠点
  • 噛む感覚が自分の歯と違う
  • 治療期間が比較的長い
  • 状況により見た目がご自身の歯と異なることもある
  • 食べ物が詰まりやすくなることがある
  • 他の歯が抜けて義歯を入れる場合、インプラントに不用意にフックをかけるとインプラントにダメージが加わることがあるため、義歯のデザインが制限されることがある
  • 外科処置に伴う痛み・腫れ・出血・合併症の可能性がある
  • お手入れ次第で感染することがある
  • 治療費が比較的高額

本院の治療例


これらは、多くの治療バリエーションの、ほんの一部です。
治療期間、治療予算、医学的状況・社会的状況を考え合わせながら、治療計画を患者様と共に作成していきます。
場合によっては、インプラント手術後、ただちに仮歯を装着して食べていただける “即時負荷法:イミーディエィトローディング法”も選択可能です。

歯が生まれつき無い場合(先天的歯牙欠損症例)

この患者様は、生まれつき歯が2本無く、矯正専門医によって、矯正治療を受けた患者さんです。
当時高校を卒業したばかりの患者さんは、矯正治療終了後、私を紹介され、来院されました。
従来はこの様なケースでは、ほとんどがブリッジにより治療されていました。しかし、せっかく美しい、無傷な両隣の歯を削らなければなりません。インプラントを用いた治療では、一切ほかの健康な歯を傷つけることなく治療が可能となります。


術後 after


歯が1本抜けた場合(単独欠損症例)

このようなケースも従来は、多くがブリッジにより治療されていました。
しかし、ブリッジによる治療は両隣の健康な歯を削らなければなりません。
インプラントを用いた治療では、一切ほかの健康な歯を傷つけることなく、機能と審美の回復が可能です。


術後 after


歯が部分的に抜けた場合(部分欠損症例)

いままでは、入れ歯による治療が主流でした。しかし入れ歯は、金属のフックや床が邪魔になったり、残っている歯に負担をかけてしまいました。また入れ歯ではどうしても味覚が上手く感じられません。インプラント治療では、下の図のようにブリッジで機能回復できます。審美的にも入れ歯の様にバネやフックが見えることもありません。
この患者さんも、術後とても味覚がよく感じられるようになったと言われました。

症例1

術後 after
症例2

術後 after


歯が全部抜けた場合(インプラントによる固定式ブリッジ)

従来は、歯がすべて無くなってしまった場合、“総入れ歯”しか治療方法がありませんでした。現在ではインプラントを用いて、多様な治療が可能となりました。“入れ歯はいやだ”と思われる方は、インプラントブリッジも可能です。また、“入れ歯は大丈夫だけれど、もう少しよく噛めて、小さくして欲しい”と思われる方にはインプラント支持の入れ歯をお勧めします。


補綴終了後


歯が全部抜けた場合(インプラントによる義歯)

インプラント義歯では、インプラントは入れ歯を維持し、安定させるために使用されます。安定することで、粘膜とこすれて傷ができたり、入れ歯の下に食べ物が入って痛くなったりすることから解放されます。インプラントの上部と、義歯の内側に、連結システムが作られ、これらによって入れ歯は強固に口の中で安定します。状況によりさまざまな治療オプションがありますので、まずはご相談下さい。

症例1 アンカーヘッドシステム


インプラントの上にオス、入れ歯の内側にメスのコネクターがあり、これによって強固に維持されます。さらに、入れ歯の大きさも、通常と比較して小さく設計できます。

症例2 アンカーヘッドシステム


症例1と同様に、インプラントの上にオス、入れ歯の内側にメスのコネクターがあり、これによって強固に維持されます。

症例1 バーにより連結されたシステム


この症例では、非常に噛む力が強く、また顎の位置関係が正常ではなかったため、強固に入れ歯を支える必要がありました。そのため、上顎のインプラント4本はバーシステムで連結してあります。

★バーにより連結されたシステムと、アンカーヘッドとで、長期予後に統計的な差はありません。(2001、A.O.の研究論文より)


インプラントの種類・本数、また患者さんの骨量、質によって使用するインプラントが異なります。
初診相談料:1回 3,000円(税別)  CT検査料:5,000円(税別)
※他の検査(模型・X写真)を行うと、別途料金がかかります。


クラウン・ブリッジなどの固定式を御希望される場合
おおよそ、トータルで1本22~30万円前後とお考え下さい。
内 容 治療費(税別) 備 考
埋入手術(1本) 155,000~175,000円 薬代、洗浄費用含む
アバットメント 20,000~30,000円 インプラント本体と人工歯を接続するパーツ
人 工 歯 35,000~85,000円 ゴールドから白い歯まで

歯を失った本数と必要なインプラント数の目安
インプラント1本 歯1本
インプラント2本 歯2本~6本
インプラント3本 歯3本~6本
インプラント4~8本 歯10~14本
※歯を失った数が多い場合、ブリッジでも対処しますので、1歯あたりの単価は下がります。
※ さまざまな治療方法がありますので、お問い合わせ下さい。
詳しくは治療にかかる費用についてをご覧ください。